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2018年の師走に

クリスマスを迎え、今年もあと一週間ほどになりました。

104歳の母が今年の7月に亡くなりました。
母のケアでは本当に多くの方にお世話になりました。

喪中ですので、新年の年賀状は失礼させていただきます。

お手紙をお出しできなかった方に、
ここでご挨拶させていただきます。

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母 両角千鶴子が7月7日、104歳で旅立ちました
家族に見守られ自宅で笑みを浮かべ安らかな死でした

教え子を戦場に送りだした苦しい体験から
再び戦争の無い社会作りに生涯を貫いた人生でした

皆様のおかげで母の人生は幸せでした
ありがとうございました

皆様良いお年をお迎えください

平成30年12月 野村 昇平,  奈央


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母の葬儀の際には、何人もの方から心のこもった弔辞をいただきました。
その中から前橋キリスト教会、荒川雅夫牧師様の弔辞をご紹介させていただきます。


<別れの言葉 ~両角千鶴子先生を送る>

先生は15年以上前に、憲法9条を守る会を結成するために尽力し、ついに発足しました。

・ 戦争を反対する思いの人々を会員として集めること
・ 集会を毎月定期的に実施して会員相互の交わりと互いの研鑽をすること
・ 反対の意思を集めて全国的な運動とするために署名を集めること
・ 群馬県内において、日本国内においての各地の反戦平和運動のために協力すること

この大切な使命を推進するために、両角千鶴子先生は立ち上がります。すでにかなりのご高齢でしたが、常に先頭に立って、会員を集め、指導し、励まし、推進してきました。

晩年は会合に参加できなくても、両角先生の存在が9条を守る会のメンバーに大きな励ましとなり、影響を与え続けてきました。

この大きな使命に生きるようになるために生き、歩み、教え、導き、継続され続けたのかを思い返したいと思います。

先生の原点は小学校教師であったという事です。日本が15年戦争、ことに太平洋戦争は、国民に多大の犠牲を強いるというよりも、想像を超える苦難を強いました。

この戦時下の教師として生きた先生は、子供たちを戦場に送る困難な責任を果たさなければなりませんでした。好ましくないことにも児童生徒を訓練し、戦争へと駆り立てる時代に立たされ、平和を志向する教師としての苦悩は、想像を絶する苦難であったでしょう。

だから戦後になり、戦前・戦中の苦難を思い起こし、乗り越えるために平和のために生涯を捧げつくしました。数多くの平和運動に身を投じたのです。おりしも、国内では憲法を守るための運動が推進されてきましたが、憲法9条を守る会が発足し、全国に訴えられたのを契機に、先頭に立って行動してきました。

前橋市でも会を発足しました。
私は前橋キリスト教会牧師として先生と一緒にこの使命を共にして立ち、戦ってきました。国家が国家の命令によって人を殺し、他国を占領することは決して許されることでありません。日本の使命は、日本国憲法の崇高な責任を果たすことであり、憲法を学び、憲法に生き、憲法をしっかりと世界と日本に伝えていくことです。

聖書に「よくやった。良い忠実なしもべよ。貴女は小さなことに忠実だったから、わたしはさらに多くのものを与えよう」と言われています。

キリストの使徒パウロは「私は走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通した。今からは私に義の栄冠が待っているだけだ」と最後のことばを残しました。
 
先生の生涯の全てが、残された私たちへの偉大な遺言であり、ご命令でもあると思います。
「平和のために生涯を尽くしたことほど幸福はない」と語っております。
人生は出会いで決まる、と言われていますが、先生と出会えたことは最上の幸福の道でした。

遺されたご遺族の皆様の上に心からお慰めをお祈り致します。

2018年7月12日 
前橋四中憲法9条を守る会 会長  荒川 雅夫

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母は、平和を心から願っていました。

2007年に「国の理想と憲法 『国際環境平和国家』への道」(野村昇平著)が出版された時には大変喜んで何度も読み返し、本には沢山の線が引かれていました。
 

平和憲法を活かすこと。
そして世界中にそういった国が出現してくることを、心の底から願っています。

今年はたくさんの自然災害も起こりました。
そんな中でも、いろいろなことがあっても、それぞれの方が前向きに取り組んでいった変化の年でした。

来年もさらに「不生の仏心」真心いっぱいの良い年になりますように。

今年も一年間、ありがとうございました。 



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プロフィール

野村奈央

Author:野村奈央
1945年群馬県生まれ。玉川大学卒業後、野口整体の創始者、野口晴哉氏と出会い、最悪の健康状態から回復。以来、整体を研究、実践している。「整体ライフスクール」主宰、指導を続けている。現在は赤城山山麓に暮らし、無農薬の畑作りや深水法による稲作、ブナの植林など通じ環境問題にも取り組む。

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