私たちの人生の恩人 南仏のジョンピエールとアネット

先月末、ボジョレーに住む、娘さんから連絡があり、アネットが安らか旅立たれたことを知りました。

昨年、数年ぶりに訪ねて、ご家族と一緒に食事に招いていただいたのが、美しい思い出になりました。

フランス人の友人の車で、ヴァランスの、森に囲まれた二人の家を訪れたのは今から31年前のことでした。
最初から、大きく腕を広げ、満面の笑みで「オーッ」と言いながら、体いっぱい包み込んでくれた温かさを今も忘れられません。
「ここはあなたのおうちです」と迎えてくれて、私たちは心に栄養をいただきました。
アネットのお料理はとても美味しく、大きな胡桃の木の下でのティータイム、おしゃべり、昼寝は楽しい思い出です。

私は言いました。
「ここは世界で一番安らぎのあるおうちです」
するとジョンピエールは、
「アネットが作ってきた家だよ」と。

街のマルシェでの買い物、パン屋さん、どこに行っても声をかけられました。ジョンピエールは町の人気者でした。
いつも、アネットの料理が一番おいしいから家に帰ろうと言っていました。

シャモニーの別荘の目の前は、モンブランの隣の山、エギーユ　デュ　ミディです。
アルプスの雪解け水、美しい高山植物に囲まれ夢の世界でした。

お二人はいつも私たちを家族のように待っていてくださり、いつもいろいろな所に連れて行って下さいました。
いくつもの思い出が今も鮮やかによみがえります。

日本にも一度だけ来て下さいました。
京都、奈良、浅草、はとバス、無邪気に喜ぶお二人の姿。

彼らの生き方は、まさに聖書にも出てくる言葉
「自分がして欲しいように、他人（ひと）に与えなさい」
それが実践された人生でした。
いつまでも私たちの心の中に生き続けてます。
ジョンピエール、アネット、ありがとうございました。