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フランスからの手紙

30年ほど前に日本の新聞雑誌によく紹介されましたフランス在住の日本人K.Fさんから久しぶりにお手紙が届きました。
三世代同居の大きな農家です。

夫のEさんのお父さんは発明家で、豚のし尿からのメタンガスで自家発電をしていました。
お母さんは長崎原水爆世界会議にフランス代表で参加している方です。
その関係で、原爆の絵図の丸木位里さん俊さんもご自宅に数か月滞在していたそうです。
そしてEさんはフランスで有名な環境活動家です。

リヨンからスイスに行く途中、昇平先生と泊めていただきお世話になりました。
ご夫妻も娘さん夫妻も赤城の家に宿泊して交流しています。
今回、フランスの様子が感じられるお手紙でしたので、ご紹介させていただきます。


懐かしい景色のカード、ありがとうございます。
こちらは皆元気です。ご主人、えりかさんもお元気ですか。
こちらも今年も暖冬で、たまに雪が降ってもすぐに溶けてしまいます。
冬が来ないまま春になってしまったようで、地球の温暖化を実感します。

日本は災害で明けた新年、ウクライナ戦争が悪化する中、パレスチナの戦争が始まり世界中に不安な空気が強まってきています。
歴史的に中立を守ってきたスウェーデンがNATOに参加したのもこの世界状況を象徴していて複雑な思いです。

フランスはじめヨーロッパ諸国では自由、民主主義は武器を取ってでも守らなければいけない、と考えている人が多いです。
フランスの大統領はウクライナ戦争が始まった頃には積極的にプーチン大統領との対話は外交面での折衝をしましたが全く成果はありませんでした。
平和主義で人間的な知識人でも「ナイーブ」では平和は守れない、「有効的な」対処が大事だと言っています。
でも具体的にどういう事なのかもっと話を聞きたいところです。

そんな暗いニュースが多い中、前橋市で女性の市長さんが誕生したニュースはとてもうれしいです。
すべての面で女性がトップに立てば世界はもっと平和になると思っています。

フランスでは、先日ミッテラン大統領のもと法務大臣を務めたロベール・バダンテールさん(Robert Badinter)が亡くなりました。国葬になりました。
死刑を廃止する法案を通したことでよく知られています。
今では多くの人々の信頼を受けていますが、当時は国民のほとんどが死刑に賛成していたので、山のような脅迫状が届き外出も困難だったそうです。
弁護士だった時には重罪に問われた被告人を弁護して何度か死刑判定を避けることに成功しました。
特に凶悪犯人のパトリック・アンリーの裁判で弁護士として行ったスピーチは迫力があり、判決は無期懲役。
「死刑があっても犯罪は減らない」「犯罪者を二つに切ること(フランスではギロチンが使われていたので)が裁判ではない。」と繰り返し言っていました。
私は民主主義の日本でまだ死刑が存在している事を懸念しています。

長女夫妻のP農場は順調で昨年から若い人を雇っています。
将来自立して有機農業をやりたい人たちで、賑やかになるのは私にとっても嬉しいです。
娘のMは相変わらず農場の仕事と英語と日本語のレッスンのほか、時々通訳の仕事をしています。

夫のEはローヌアルプス地方の自然地区保護機関の委員長になったので、とても忙しくしています。
お義母さんは91歳になって元気で健康ですが、耳が衰えてきたので気を付けています。

今年は日本に行く予定はありませんが、皆さんにまたお会いしてお話ししたいです。
よろしくお伝えください。



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コメント

No title

フランス在住のK・Fさんのお手紙の中にフランスで元法務大臣を務めたバダンテールさんの訃報が書いてありました。私は死刑廃止のニュースを知らなかったので調べてみましたら、朝日デジタルに以下の記事がありました。1928年3月、パリのユダヤ系家庭に生まれた。ナチスドイツの占領下にあったフランスで、14歳の時に自らの目の前で父親はゲシュタポに逮捕され、強制収容所で亡くなった。バダンテールさんは他の家族とともに仏南東部サボワ地方へ避難して生き延びた。第2次世界大戦後はパリの大学で文学と法律を学び、米国に留学。フランスに帰国後は弁護士になった。弁護士として凶悪事件の被告人の弁護に携わったことがきっかけで、死刑廃止の実現が「知的な信念から行動を伴う情熱」に変わり、死刑反対の運動に身を投じた。81年に発足した社会党のミッテラン政権で司法相に就任すると、死刑廃止論の牽引(けんいん)役を務め、同年10月には死刑を廃止する法律を実現した。とありました。バダンテールさんの経験が無ければ死刑廃止に至らなかったかもしれません。今全世界で死刑廃止の国は112か国、日本は在地国55か国のうちの一つです。どんないのちも生を全うして生きられる社会になる事を望みます。お手紙を公開して下さりありがとうございました。

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プロフィール

野村奈央

Author:野村奈央
1945年群馬県生まれ。玉川大学卒業後、野口整体の創始者、野口晴哉氏と出会い、最悪の健康状態から回復。以来、整体を研究、実践している。「整体ライフスクール」主宰、指導を続けている。現在は赤城山山麓に暮らし、無農薬の畑作りや深水法による稲作、ブナの植林など通じ環境問題にも取り組む。

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